ごろごろ、神戸。 (単行本)
神戸の街を“ごろごろ”とベビーカーを押しながら、子連れで商店街を歩き、昼間から酒を呑み、台所で鍋を振る。失われつつある神戸の風景や人々への優しいまなざしと、育児に翻弄されつつも愛おしい子供との日々を、自らの写真と文章で描いた異色の子育て街歩きエッセイ。
2016年から2019年までのわずかなあいだにも、ここに登場する多くの場所がうしなわれた。書いたそばから書いた場所が消えていく。本書はウェブに発表された文章から大幅に加筆されているが、今はもう存在しない場所については注釈を加えず連載当時のまま残している。変更された価格についても言及していない。
描かれた「神戸」はどこにもない架空の港町だ。
そこには今あるものと、かつてあったものがごっちゃになっている。
(まえがきより抜粋)
著者について:
平民金子(へいみん・かねこ)
1975年生まれ。大阪府出身。写真家・文筆家。
中国、メキシコ、北海道、沖縄、東京などを転々としたのち、2015年より神戸市在住。
2017年より、神戸市広報課のホームページにて「ごろごろ、神戸」を連載。