うたのしくみ 増補完全版 (単行本)
原稿用紙約350枚もの大量のテキストを追加した「うたのしくみ 増補完全版」が登場。
ブラジルのサンバが持つ高揚感の秘密から、ユーミンの歌唱法の特異性、きき手を裏切るaikoの歌詞の魅力、19世紀のシート・ミュージック(楽譜)に、ブルースのはじまり、ロックンロールの誕生、そしてデュエット等における複数の声がもたらす歌の魅力……。
今まで何気なく聴いていた歌、様々な解説で語りつくされたはずのあの名曲、あるいは知らなかったあの曲。
それらがまったく新鮮な驚きをもってきこえてくる、目からウロコの音楽論考です。
そもそも音楽の魅力をどんなふうに言葉で解説するのか?この実は困難なテーマに対して著者は、音楽理論を掘り下げる/きき手の印象や感情を語る、そういったあるひとつの側面を見ることとは異なるやり方で「なぜ私たちはこの歌に惹かれるのか?」を、丁寧に、そしてとんでもない方向へも飛躍しつつ展開していきます。
【 著者紹介 】
細馬宏通
1960年生まれ。人間行動学者。早稲田大学教授。
著書に『浅草十二階 塔の眺めと<近代>のまなざし』(青土社 2001)、『絵はがきの時代』青土社 2006 『絵はがきのなかの彦根』(サンライズ出版 淡海文庫 2007)、『今日の「あまちゃん」から』(河出書房新社 2013)、『ミッキーはなぜ口笛を吹くのか アニメーションの表現史』(新潮選書 2013)、『うたのしくみ』(ぴあ 2014)、『介護するからだ』 (医学書院 2016)、『二つの「この世界の片隅に」 マンガ、アニメーションの声と動作』(青土社 2018)、『いだてん噺』(河出書房新社 2020)ほか共著、翻訳書など多数。バンド「かえる目」のギター&ボーカルとして4枚のオリジナル・アルバムもリリースしている。